しるくど〜ろ 02/07/07


「さ〜さ〜の〜は〜さ〜らさら〜♪っつーことで、ゲームやっとるか?」

  「ワケのわからん前振りだな・・ゲームなんてやってねえよ、これっぽっちもな」

「相変わらず『ゲームに飽きた』とかぬかすつもりはねえよな?」

  「飽きる所か業界自体覗いてもいないぞ」

「・・・人間変われば変わるモンだな」

  「お前に言われたかねえよ、ギャルゲーバカ」

「なんかもうとりつく島もねえ感じだ」

  「あぁ・・そう思うのならとっとと帰れっつーの」

「いや、こうなったら意地でもゲームやらせる」

  「やらせるって・・・また何か持ってきたのか?」

「当たり前だ。お前に是非ともやってもらいたいゲームがあってな!!」

  「・・・なんか妙に嫌な胸騒ぎがするんだが気のせいか?」

「そいつはお前の気のせいだ」

  「本当かよ」

「俺のことが信用できねぇってのか?」

  「今日は今日で月宮あゆ人形を小脇に抱えているようなヤツを
       誰が信用すると思うんだ?」

「うぐぅ」

「くっ・・本当に人を信用しないヤツだな
      お前のような人を信じられんヤツはコレでもやっとけ!!!」


  「・・これって・・もしかして・・?」

「そうだ!!これがあの鯖ゲー第2弾『しるくど〜ろ』だ!!」

  「し・・しるくろ〜ど?」

「違う、カークみたいな間違え方するな『ど〜ろ』だ『ど〜ろ』!!」

  「んだよ、いちいち読み間違えたからって癇癪起こすなよナー」

「仕方ねえだろ、微妙な間違いが気になる性格なんだからよ」

  「はいはい、わかったわかった。『しるくど〜ろ』な」

「・・まぁわかってくれればいい・・とりあえずこの前置いていった
      ヤマダパソコンは元気にやっとるか?」

  「確か、そこらへんに置きっぱなしにしていたような・・・」

「っつーか、そのテーブルっぽく使われているのがそうじゃねえか

  「あ、ほんとだ。どうりで最近見ないと思った」

「いや、お前・・それはもう探す気どころか、存在自体忘れてただろ

  「結局この前やらされた『ゆうきみ』以外で使用してなかったからな」

「他にゲームを買ったりすることはなかったのか?」

 え?PCゲームって買うものなのか?

「お前・・・今のはかなり危険な台詞だぞ」

  「喪黒福造にしょっぴかれるってか?そいつはイヤだな」

「ま、いいや。とりあえずやってみろや」

  「おう」

 


上の荷物を片づけた後、PCを立ち上げて「しるくど〜ろ」をインストールするパニッシャー。
ニックはその横で「蒼天の拳」を黙々と読みふけっている。


  「・・・ニック」

「ん、どうした?」

  「音楽もインストールした方が良いのか?」

「そうだなぁ・・容量が大きくなりすぎるとしたら入れない方がいいが、
      どうせフルインストしても100MB行かないんだから、入れてしまえ」

  「前作よりも5倍以上データ量が増えているのか、こいつは期待・・」

「・・しない方がいいぞ」

  「・・・・・今何と言った?」

「『頑張ってな』と言った」

  「そうか・・じゃ、やるか」

 

約30分後

 

  「・・・おい、ニック」

「どうした。終わったのか?」

  「これはまた困ったモンを持ってきてくれたな

「おいおいフランク、俺は別にお前に困ってもらいたくて
      そいつを持ってきたワケじゃねえんだけどな・・・それに裏にちゃんと
      『笑いあり涙ありのハートフルコメディADV』って書いてあるだろ?」

  「・・・残念なことに笑えもしなかったし、涙もなかった・・
       まぁ違った意味で涙が出てきたがな

「酷いこと言うなぁ・・ミニゲームとか面白かっただろ?」

  「あのミニゲームが面白かったかだって!?お前正気か?

「ハハハハすまんすまん、誘導尋問しようとしただけだ」

  「ったく・・てっきり脳をやられたのかと心配しちまったじゃないか」

「それにしてもいつにも増して辛口だな」

  「辛口も何も、相変わらずの展開の強引さに呆れてモノも言えん。
       更に言わせてもらうと、キャラを増やせば良いっていう安直な考えが
       妙に処刑心をくすぐるんだが・・・」

「まぁ、選択肢がどの女の子のルートにするかという指標でしかないというのも
      かなり処刑心をくすぐってくれるな・・・」

  「そして、なによりも気になって仕方ないのが・・」

「なんだ」

 CGのクオリティが同人以下っつーことかな

「あいたたたた」

  「だからかはわからんが、1周でCGがコンプリートしなくなっても、2周目を
       やろうとは微塵も思わないな。もうなんつーか、文字早送りしたとしても
       必要ない選択肢がほとんどなんでやる気も出ない

「相変わらず痛い所満載だろ?」

  「っつーか、このメーカー絶対ヤバいだろ」

「だが、ここに購入した人間が居るんだ」

  「・・まさかとは思うが・・・」

「イヤ・・・今回は流石に中古ショップで入手した

  「そうか賢い選択だ

「だが、中古であったということはコレを新作で買った人間が居たということだ」

  「可哀相に・・見る目がなかったんだな・・・」

「だが、相変わらずショック療法にはもってこいな作品ではあるぞ。」

  「・・相変わらず前向きな考えだなぁ・・
       じゃあ、とりあえず他の適当な作品でもやってみるか・・・」

ということで、おもむろにプレステを取り出し「ノットトレジャーハンター」をプレイ
し始めるパニッシャー、その横でニックは「仮面ライダーSpirits」を読み始める。

 

それから数十分後

 

  「確かに楽しく感じるなぁ・・・」

「だろ?」

  「ゲーム倦怠期だとは思えない位にゲームを堪能している」

「まさにそれだ。」

  「だが、どちらにしても結局の所この『ノットトレジャーハンター』は
       クソゲーでしかないということがわかってしまい、非常にガッカリだ」

「いや、それはクソゲーじゃなくてバカゲーだろ」

  「あ、そっか」

 

・・気が付くと「しるくど〜ろ」の話をしていない二人だった・・・


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