料理人への道は遠い……
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6月1日(金)
 本日は講習Aがありました。教わったものは煮物その2でした。品目はといいますと、
「豚角煮」「ひろうす含め煮」「高野豆腐含め煮」「車海老黄身煮」の4品でした。
それではそれぞれの説明を。「豚角煮」は説明不要ですね。「ひろうす含め煮」
…ひろうすとは「飛竜(龍)頭」と書きます。これは関西での呼称で、関東では
「がんもどき」と呼ばれています。…含め煮というのはそれぞれの具材を別の手法で煮、
そしてそれらをひとつの器に盛り、最後にメインとなる煮物の汁をかけて完成するもの。
黄身煮というのは内臓卵(雌鶏の卵巣の中にある、排卵される前の卵のこと)と卵黄を
混ぜ合わせたものと(調味した)煮汁をあわせたもので具材を煮たものです。
 午後は基礎実習がありまして、包丁を研ぎました。そして桂むきも練習しました。

6月4日(月)
 概論で新調理システムというものを学びました。これはいわゆる無菌状態で調理を
しようということで、NASAが提唱したものです。なぜNASAなのかといいますと、
宇宙食…これで食中毒になってしまったらもうどうしようもないからです。
具体的に説明しますと、加熱調理したあと、急速冷却をして、食事を提供する直前に
再加熱を行うシステムです。最初の目的は前に記したとおりですが、その利便性からか
外食産業ではこれがメインとなりつつあります。このシステムの種類としてはクックチル、
クックフリーズ、調理方法の種類ですと「真空調理法(食材+調味料を袋詰めして真空
パック→適温加熱)」、「T・T調理法(温度と時間を管理した調理方法)」があります。
 そして、それら調理に使う機器として、スチームコンベクションオーブンというものに
ついて更に詳しく説明を受けました。この機器は蒸気、オーブン、蒸気+オーブンの同時
加熱ができる機器です。これのスゴイところは「従来調理のほとんどが1つの機器で
行える」「光熱費の削減、人件費の削減」「調理に詳しくない人でも調理が可能」など、
かなり使えるメリットばかりあるところです。しかし、ここでひとつに注目。
「調理に詳しくない人でも調理が可能」…これは由々しき事態ですよ。作り方さえ与えれば、パートのおばちゃんでもある程度のものができてしまうのです。
しかし、根本に料理の知識があると機器の使い方も若干変わってきます。そのような点で
料理人を目指す人間は考えてモノを作っていくことを要求されるのです。
機器は非常に便利ですが、拙者たちは使っても使われないようにしなければなりません。

6月5日(火)
 講習Bでした。明日つくるものは「御飯:炊き込み御飯」「煮物:卯の花煮」
「椀物:玉子豆腐」の3品です。…ちょっと少ないかもしれませんね。でも、玉子豆腐は
自分達でつくっていく(当然)のでちょっと時間がかかる……ことはありませんね。ええ。
今回も初めて作り方を見るものばかりです。炊き込みご飯はまぁいいとして、卯の花の
戻し方なんて全く知りませんでした。へぇ、そうやってもどすのかー。玉子豆腐だって
冷たいヤツしか食べたことありませんでしたが、今回は清汁仕立てなんで暖かいのです。
試食で食べてみましたが、市販のヤツと比べるとはるかにこちらのほうが美味しいです。
明日、これと同じものができるのかどうかは別として、作り方を覚えておくということが
大事なのですよね。
 その後、栄養学がありましたが、この講義はなんだかかたっくるしいです。
っつーか、中学や高校の頃につまらない授業をする先生っていましたよね?
まさにそんな感じだったりするのですが、(考えが)大人に近づいた拙者は別になんとも
なく講義を受けていました。たまにツッコミを入れたりしながら。たんぱく質やアミノ酸
、脂質について学びましたが、前述通りかたっくるしくてあんまり理解できませんでした。

6月6日(水)
 実習がありました。上記のものをつくっていきましたが、特に難しいものは……あった。
玉子豆腐が非常に大変っつーか、面倒でした。蒸し加減を適時調査していかないと
なりませんので。でもそのおかげか、とても美味しい玉子豆腐が出来ました。満足。
他の卯の花も炊き込みご飯も上手く行きまして、皆で大満足でありました。
っつーか、卯の花って多少湿っていないと美味しくありませんよねぇ、やっぱり。
 午後は講習Aがありまして、揚げ物について学びました。先生が作ったのは
「茄子煎り出し」「てんぷら」「稚鮎黄身衣揚げ」でした。とりあえず、揚げ物の基本を
記述しておきます。『油の温度を一定にする』…以上。これを実践するには以下のことに
気をつけるといいです。@油の量は多めに(量が少ないと冷めやすい)、A材料の量は
少なめに(油鍋の表面積の1/3が覆われる位までにしておく)。あと、揚げ物の種類もざっと
触れておきます。衣揚げ(通常のてんぷらと呼ばれるもの)・素揚げ(煎り出し、もしくは
揚げ出しと呼ばれるもの)・からあげ(鶏からあげとかいわれるもの)・変わり揚げ(衣が
前に挙げたもの以外のもので、ナッツ系や海苔等がある)の4種です。
それにしても揚げ物をするときの油の温度の見方とか、はじめて知りました(ダメすぎ

6月7日(木)
 本日は講習BとAでした。
明日作るメニューは「御飯:茗荷御飯」「先付:きんぴら」「焼物:米茄子田楽」です。
茗荷は「みょうが」と読みます。きんぴらはベーシックにごぼうを使います。でも、
笹がきではつくりません。千六本という少々太めの、せんぎりのような切り方でやります。
茄子田楽ですが、これは米茄子を半分に切ったものを器として、田楽味噌をソースとした
ものです。
 午後は講習Aで、昨日に引き続いて揚げ物でした。「鶏竜田揚げ」「煎り出し豆腐」
「車海老変わり揚げ」「目板鰈(めいたかれい)からあげ」の4品を教わりました。
まず竜田揚げですが、拙者長らく誤解していました。竜田揚げというのは在原業平が
和歌で詠んだ、京都の竜田川の風景を模したものだったのですね。ですから、衣には醤油
の焦げた色(紅葉)と衣に混ざった洗い葱の緑の色があるはずなのです。…しかし、
巷に出ている竜田揚げというのはどうでしょう。葱の緑さえもありません。あれはただの
「からあげ」じゃぁありませんか。クソ、騙されてた。マクドめ!!
「煎り出し豆腐」は昨日もありましたが、いわゆる「揚げだし豆腐」と同じものです。
「変わり揚げ」は海苔とパンと干し湯葉の衣で揚げました。
それにしても今日は料理の常識というものを一つ学んだ気がしました。

6月8日(金)
 今日は実習と補講がありました。実習での持ち場は水場でした。
ええ、とにかく洗い物がメインでした。材料を切ることも、揚げることもなく黙々と…。
でもそれぞれの料理の手順やサポートは率先して行いましたので勉強にはなりました。
最近、持ち場の認識と声の掛け合いが徹底されてきているおかげで作業が早いです。
台周りの先生にも「しっかりと声も掛け合っていたし、良かった。」とのお言葉を。
コミュニケーションも気軽に取れるようになってきたので非常に楽しいです。
若い人たちの中に居ると心理的にいいです。
 午後は補講で、包丁を黙々と研いでいました。薄刃、出刃、柳の全てを研ぎました。
薄刃は「もう少しで刃がきれいにつくね」といわれましたが、他はまだまだでした。

6月9日(土)EXTRA STAGE
 さて、土曜日ですが講義がありました。といっても校外ですが。
場所は有楽町の新有楽町ビルの地下2階、懐石料理「胡蝶」です。
そこで会席料理というものを味わってきました。校外から先生を招いての講義でした。
講義といっても始めの20分ほどはなしてもらっただけで、後は普通に会食を楽しみました。
コースのメニューをこれから列挙していきます。
先付:鱧板水母浜防風海ぶどう・水無月豆腐才巻海老枝豆
椀物:湯葉真蒸冬瓜ちぎり麩/水前寺海苔/錦糸玉子/椎茸/柚子
造り:縞あじ/鯒あらい/海そうめん/ミニ大根/山葵
焼物:カマス付焼/サーモン蛇かご/セロリきんぴら/新生姜つや煮
焚合:ぶどう茄子/小芋/白ダツ/姫竹/茗荷/木の芽
強肴:岩かきふくさ揚げ/畳鰯/餅/オクラ/丸十煎餅
御飯:穴子御飯/絹さや/香の物三種盛り
汁 :赤だし汁/もずく流し芋浅月
水菓子:メロン/桜桃
…書き綴ってみましたが、見ただけではわからないことばかりですなあ。
でも、説明していくのも面倒なんで気になったひとだけこっそりと質問してください。
こっそりとお答えしますので。

6月11日(月)
 概論と基礎実習がありました。概論では日本酒について勉強をしました。
酒に非常に弱いというか、苦手な拙者にとっては勉強するにはいい機会でした。
日本酒の種類からつくりかた、素材の紹介までいろいろと学びました。では、少々紹介を。
日本酒というのは、昔は「酔うための飲み物」でしたが、最近では「風味を楽しむもの」
というものに変わってきています。いわゆる「料理との相性」を考えているもので、酒蔵
側も料理に合わせようと努力しているようです。しかし日本酒というのは今まではどちら
かというと暗いイメージでしたが、それが昨今そうでもなくなってきているのは10年位前
に、特級などの級別の廃止のおかげと、「吟醸酒」と呼ばれるものが出てきたからだと
先生は言っていました。そしてドラマにもなった漫画「夏子の酒」のおかげでもあると
いうことらしいです。
豆知識として、常温の酒のことを「冷や」といいますが、どうしてか知ってますか?
昔、日本酒というのは熱燗で飲むのが主流でして、その熱燗以外で飲むことを「冷や」と
言っていたのです。その名残が未だに使われているということなのです。
ちなみに、本当に冷やした酒は「冷酒」といいます。
 午後の基礎実習は包丁の使い方をやりました。っつーか、明日は桂むきのテストです。

6月12日(火)
 今日は概論と細工がありました。概論では梅酒について学びました。というか、作り方
を教わりました。そして学校で漬けた梅酒の試飲もしました。
 細工では祝儀袋を作りました。あの、コンビニとかでも売られている袋です。
実際に作ってみるとなかなか面倒です。特に水引(金と銀の紙紐)の部分が。
綺麗につくるには本当に細心の注意と器用さが必須条件になってきます。大変〜。
でも、なかなかいい感じの出来でした。せっかくなんでみんなに見せます。コレ
 午後は桂むきのテストがありました。一応結果としては初の合格と相成りましたが、
「刃のついていない包丁でよくもここまで薄くできるねえ」と驚かれました。
いやぁ、自分でも驚きですよ。…帰宅してから1時間位包丁研ぎをしました、薄刃のみを。
とにかく、どの包丁も刃がなかなかつきません。やり方が変なのでしょうか?謎です。

6月13日(水)
 講習BとAがありました。明日の実習でつくるものは「御飯:生姜御飯」これは丁度
この時期に新生姜がでてくるという理由からだそうです。「煮物:南瓜のそぼろあんかけ」
これもこれからが時期だからだそうです。「焼物:合鴨照焼き」合鴨とはいいますが、
最近は合鴨ではなくてアヒルをそのまま使っているところもあるそうです。でも、アヒル
という響きだと聞こえが非常に悪いので合鴨と言っているみたいです。「椀物:湯葉真蒸」
これは湯葉を真蒸生地に混ぜ込んだ椀種の吸い物です。明日はかなり忙しくなりそうです。
 午後は講習Aでした。教わったものは「酢の物」です。「車海老黄身酢かけ」「うざ
く」「鯵南蛮漬け」「水貝」「ずいき梅肉浸し」の5品を教わりました。「うざく」
というのは鰻の酢の物で「水貝」はあわびを使ったちょっと特殊なもの、「ずいき」とい
うのは里芋の茎の下の部分で別名「白ダツ」とも言います。これ自体に味はありませんが、
食感が良いのでこの時期になると使われるようです。先日の校外授業で食したメニュー
にも入っていました。
 そして帰宅でしたが…実は取材を受けました。細かいことは後日発表っつーことで。

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