常ニ周囲ヲ綺麗ニシナガラ仕事ヲセヨ
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■−10月1日(火)−
■−10月3日(木)−
■−10月4日(金)−
■−10月5日(土)−
■−10月6日(日)−
■−10月7日(月)−
■−10月8日(火)−
■−10月10日(木)−

10月1日(火)
 遅番、しゃぶ野菜にたどり着くまでにやらなければならないパック詰めが大量にあった。
とりあえず諸処の作業を同時にこなしながら2時間ほどで終了させ、そこから野菜うち。
終わりかけた頃に荷物が来たのでそのまま荷物に。戻ってから今度はまかない用の切り物
をしてそれから自分の事をしていたらいつの間にか4時半を回っており上の人に賄いの請求
をされる、ついでに怒られる。これからは賄いの時間をふまえてしっかりと行動しないと。
 夜、戦後最大級の台風が来ているという初耳情報。本当に情報に疎い人間になっていた。
そのせいか2件のキャンセル。フリーも2組ほどしかやってこず(どちらもしゃぶしゃぶ)、
店も8時に閉店するということでとにかく急いで仕事を終わらせていく。予定通り8時過ぎ
には仕事が終わるが、洗い場がたった一人しかいなかったのでそこを少し手伝ったりする。
 9時には上がることができ、エレベーターへと向かったが、外の暴風のせいで全てのエレ
ベーターが止まってしまっていた。仕方なく地下2階まで54階分階段を下りる。約10分近く
かかったような気がする。おかげで足がガクガク。電車は出ていたので良かったが、新宿
の暴風雨は本当に洒落にならなかった。
 ということで、本日の所感。
「やはり拙者は仕事が遅いなぁ」
そして、本日のまかない(御飯と味噌汁、漬け物は基本的に常に有るので省略)
朝・・・かに玉(あんが美味しかったです)
夜・・・棒々鶏(バンバンジー。)

10月3日(木)
 遅番、弁当が大変だった余波が多少なりとも影響し、しゃぶ野菜がなかなか完成せず、
気が付けば既に3時で荷物に行ったりもしたので更に完成が遅れるがそれでもなんとか。
とにかく早めにやっておかないとマズいことを黙々とこなしていったおかげか、どうにか
なる。夜は会席が予約以外はほぼ入らなかった代わりにしゃぶが大爆発したのでそこの
ヘルプ&明日の準備。漬け物の切り方の心がけ、そして大根けんの切り方の心がけを伝授
され、とりあえず漬け物の切り方はまた少し上達したような気がした。明日は大根けんも
やらないとならないのでちょっと忙しめになりそうだが、意識してうっていこうと思う。
 ということで、本日の所感。
「今日もなんとかなった?」
そして、本日のまかない(御飯と味噌汁、漬け物は基本的に常に有るので省略)
朝・・・卵炒め(?ちょっとわかりませんでした)
夜・・・野菜の味噌炒め(茄子、人参、玉葱、キャベツ、モヤシ、ベーコン)

10月4日(金)
 遅番、一つ一つの作業が遅かった為か、結局最終電車ギリギリまで居ても仕込みが終わ
らなかった。そうそうあることでもないが、こうなると自己嫌悪に陥る。と同時に仕事に
対する不満も出てきたりする。まぁとにかくいつものことなのですぐに吹っ切って行きた
いところであるが、性格上そう簡単に割り切ることが出来ない。こういうところだけ神経
質というなんとも手に負いづらい人間には、やはり定まった仕事は向いてないのか。
 今日はまかないの盛りつけについて注意された。色々と考えさせられた。有り難い事。
 ということで、本日の所感。
「まかないは全ての基本であることと知るべし」
そして、本日のまかない(御飯と味噌汁、漬け物は基本的に常に有るので省略)
朝・・・天ぷら蕎麦(かき揚げの具材がユニークでした)
夜・・・すき焼き(牛肉、白菜、白滝、長葱)

10月5日(土)
 遅番、良い感じに精神的にたたきのめされた一日。「もう駄目だ、辞めよう。」という
気持ちで一杯。電車も再び最終電車、仕事はほとんど終わることなく・・でだ。帰宅する
と母親に相談。マッサージチェアで3時間弱仮眠を取り、次の日に備えることに。
 ということで、本日の所感。
「人事部長にメールをうとう」
そして、本日のまかない(御飯と味噌汁、漬け物は基本的に常に有るので省略)
朝・・・卵炒め(だった気がする)
夜・・・ビーフシチュー+α(前の賄いの残りにマカロニをプラスしたもの)

10月6日(日)
 早番、6時半頃に仕事場に到着。とにかく出来なかったことを次々とこなして行くが、
結局追われることになり、電車も最終一つ前。まぁそれでももう歩いて30分とかかからな
くて済んだだけでも救われた。
 ちなみに今は「辞める、辞める、絶対に辞める」ということだけで頑張っている。この
気分はもう治らないと思う。8日にあるという研修時に辞意を表明しようと決心している。
 ということで、本日の所感。
「夢は覚め、現実がその目を開く。」
そして、本日のまかない(御飯と味噌汁、漬け物は基本的に常に有るので省略)
朝・・・卵炒め(ソーセージ入り)
夜・・・野菜炒め(とろみ付き)鰹のあら煮(絶妙な味)

10月7日(月)
 遅番、鬱気味であることを軽く上の人間に聞かれたのでそうだと言う。すると少々手伝
ってくれたりする。しかしその事で「お前の仕込みなんて呼べるモノはしゃぶ野菜打ちし
かないぞ・・」と言われ、後から更に上の人間に「切って貰って盛るだけならバイトでも
出来るぞ(以下略」とか何とか言われ、更に自分の駄目さ加減を認識するハメに。
 帰りに手伝ってくれた先輩に色々と励まされたりしたが、もう辞めたい気分で一杯で、
親身になってくれる先輩に申し訳なさを感じた。
 ということで、本日の所感。
「すいません、もう駄目です」
そして、本日のまかない(御飯と味噌汁、漬け物は基本的に常に有るので省略)
朝・・・炒飯(食べてません)
夜・・・肉じゃが(美味しかった)

10月8日(火)
 遅番、どれだけイヤだと思っても遅刻や欠勤だけはしたくなかった。辛いことは辛いが
逃げるのだけはイヤだった・・・だが、それ以上に精神的にも、最近は肉体的にも限界に
なりつつあった。精神が極限状態になった時、絶望という文字と共に自ら死を願うように
なった。それ程の覚悟の上で、フォローアップ研修に参加することに。研修は1時半からと
いうことでそれまでの2時間を頑張って居たが、ふと荷物を片づけている時に上の人に時間
がかかりすぎだと言われた。確かにあまりにも時間がかかりすぎたとは思う。だがほとん
ど荷物が片づいてもいない状態を綺麗にするまで時間がかかるのは仕方ないと思う。それ
だけここの職場は狭いということだ。更にしゃぶ野菜をある時間までにうち終われないと
その仕事も誰か他の人間にまわさないといけないと言われた。そして最後にこう言われた。
「そうなったら、お前の仕事なくなるぞ」と。つい先ほど焼き物の発注をミスした自分の
せいで昼の弁当の焼き物も配達が来ると同時にやらなければならないという状況が発生し
ており、ここで焼き物の発注が他の人に回ることになっていた。自分のまかされていた
仕事が次々と消えていく。初めから少しずつ仕事を任されるならまだしも、だんだんと自
分の仕事が消えていくというこの状況に、確実に精神が異常を来し始めた。自分はもう必
要ない人間なのだと強く思うようになった。
 そして研修が野村ビルで行われた。ほとんど顔を合わせてもいない人間同士でどうやっ
てぶっちゃけトークをしろというのか。終始ぎくしゃくした感じで会は終了、社長の有り
難い話も結局社長の出席不可能という事で人事部長のトークのみで終了と相成った。
 研修の後、自分は人事部長とサシで話をすることに。前々からメールで送っていた、仕
事を辞めたいということでだ。もしそれが受理されないようであれば、目の前で手首を切
ってでも辞めてやろうと思っていたが、朝方に貰った知人からのメールに「逃げちゃえ」
とあり、その方向もアリだなと思っていた。ということでその旨を人事部長に伝えた所、
「ならば正式に辞めた方がいいのではないか」ということになり、即日で辞めることが出
来るように配慮してくれることとなった。これは非常に有り難いことだった。
 野村ビルより戻った自分はそのまま調理部長に呼び出され、色々と引き留めの言葉を
貰う。しかし、もう辞めるという腹づもりの拙者は何も言えなかった。とりあえず一日
考えろと言われ、その時はそれで終わり、あとは夜を普通に仕事をして過ごした。が、自
分の仕事は焼き場を完全に離れ、しゃぶ場と他の準備(ドレッシング作り等)という事に。
 一気に疎外感を感じたが、バイトの丸さんと話をしている内にようやく自然に笑えるよ
うになってくる。辞めるという意志を伝えたことで肩の荷が下りたのかもしれない。
 迷惑ばかりをかけてきたが、仕事を辞めると言うことは一番の迷惑かもしれない。だが
もう一人であの広さを追い回しするのは不可能であると感じた結果の行動である。理由は
本当にしょうがないかもしれないが、きっと本人にしかわかることはないと思うし、他人
が理解できるはずなど毛頭無い。だが心配してくれる友人を持って自分は幸せ者だと思う。
 ということで、本日の所感。
「結局今日も最終電車で自宅まで徒歩30分コースだった」
そして、本日のまかない(御飯と味噌汁、漬け物は基本的に常に有るので省略)
朝・・・つけ麺(冷やし中華みたいな)
夜・・・麻婆豆腐(最後のまかないになった)

10月10日(木) 最後の日記
 昼過ぎ、退職願と保険証、ロッカーの鍵を持って新宿へ向かう。2時前に到着するとその
ままロッカーへと向かい白衣とロッカー内の荷物を整理。最上階へ行くと正面から進入。
まずコンピュータルームに居たチーフに挨拶、そして保険証、退職願、ロッカーの鍵を渡
して厨房へ。皆に挨拶をするが、A元さんとF田さんにはすごい目で見られる。まぁ恨ま
れても仕方ないような辞め方なのであまり気にしないことにした。あとはE口さんに挨拶
&アドバイスを聞き、包丁類を片づけ洗い場のおばさん達に別れを告げて地下一階に。
 だがそこで50階に挨拶をするのを忘れていたので急遽50階へと向かう。顔を出して挨拶
をしたら今日辞めると言うことを驚いていた。まぁ確かにあまりにも急な話なので驚くの
も無理はないだろう。そしてそこのチーフと、同期のT代君と3人で色々と話をした。これ
からどういう職につくのかとか、なぜこの店を続けるのかとか、話は尽きることなく続き、
結局皆の休憩が終わるまで居座ってしまう。ここはやはり上と違って居心地が良い。
 そして最後の別れを告げ終わると新宿を徘徊。朝、かずくんから電話があり、会うこと
になっていたからだ。4時頃に合流すると少々ゲーセンで時間を潰して喫茶店へ。そこで
仕事の話やら趣味の話やらをする。なんだか妙に開放的な気分にテンションも上がり気味。
非常にやる気がでてきたが、そのやる気はゲームと食欲へと消えていくのだった(ダメだ
 ということで、最後の所感。
「あまり湿っぽくなく、しかしちょっとギクシャクした別れだった」

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